除菌療法の注意点
- 監修:
- 北海道医療大学 名誉教授
- 浅香 正博 先生
こちらは、ピロリ菌の除菌療法を受ける患者様ならびにご家族の方々に、ピロリ菌の除菌療法について正しく理解していただくためのページです。ピロリ菌の除菌をお考えの方は、除菌療法が必要かどうか主治医とよく相談してください。
除菌療法の成功率と成功のコツ
除菌療法の成功率
ピロリ菌の除菌療法は、1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と2種類の「抗菌薬」の合計3剤を同時に服用します。1日2回、7日間服用する治療法です。正しく薬を服用すれば1回目の除菌療法の成功率は約68~92%といわれています。除菌療法のあと、もとの病気の治療を行います。(除菌療法の前にもとの病気の治療を行う場合もあります。)
すべての治療が終了した後、4週間以上経過してから行うピロリ菌の検査(除菌できたかどうかの検査)は必ず受けてください。また、検査に抗体測定を用いる場合はすべての治療が終了した後、6ヵ月以上あけてください。
一次除菌療法でピロリ菌が除菌できなかった場合
一次除菌療法で除菌できなかった場合は、再び7日間かけて薬を飲む、2回目の除菌療法を行います。2種類の「抗菌薬」のうち1つを初回とは別の薬に変えて、再び除菌療法を行います(二次除菌療法)。
一次除菌療法で除菌ができなかった場合でも、二次除菌療法をきちんと行えば、ほとんどの場合、除菌が成功すると報告されています。
指示されたお薬は必ず服用すること
確実にピロリ菌を除菌するために、指示された薬は必ず服用することです。
自分の判断で薬を飲むのを中止したり、薬を飲み忘れたりすると、除菌がうまくいかず、治療薬に耐性をもったピロリ菌があらわれることがあります。
なお、耐性とは薬に対して細菌が抵抗性を示すようになり、その薬が効きにくくなることです。
7日間しっかり服用。のみ忘れを防ぐための工夫
□ カレンダーや記録表を利用し、お薬を飲んだらチェックしましょう。
□ カレンダーやお薬を、目につきやすい場所に置きましょう。
□ 高齢の患者さんへは、ご家族の声掛けをお願いします。
除菌療法中に注意すること
- 除菌療法を含むすべての治療が終了した後、4週間以上経過してからのピロリ菌を除菌できたかどうかの検査は必ず受けて、結果を確認しましょう。また、検査に抗体測定を用いる場合はすべての治療が終了した後、6ヵ月以上あけてください。
- 除菌療法の間に気になる症状を感じた場合は、主治医または薬剤師に相談してください。
- 二次除菌療法の間は、アルコールの摂取(飲酒)を避けてください。