その他の病気
- 監修:
- 北海道医療大学 名誉教授
- 浅香 正博 先生
その他の病気
ピロリ菌が原因で発症するといわれている病気のうち、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん以外の病気について解説します。
胃MALTリンパ腫(いまるとリンパしゅ)
胃の粘膜にあるリンパ組織に発生する、ゆっくりと発育する腫瘍です。
除菌による効果が証明されています。
特発性血小板減少性紫斑病(とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)
血小板が減少し、出血しやすくなる病気です。原則として18歳以上の患者さんが除菌療法の対象となります。
除菌による効果が証明されています。
早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃(ないしきょうてきちりょうごい)
内視鏡的治療後胃とは、早期胃がんを内視鏡で治療した後の胃のことです。その胃からは新しい胃がんが発生する可能性があります。
除菌すると、新しい胃がんの発生確率を減らすことができる可能性があります。
機能性ディスペプシア(FD)
胃潰瘍や胃炎といったはっきりと目に見える病気がないのに胃もたれ、吐き気、胸やけ、嘔吐などの症状が少なくとも3ヵ月以上続く病気です。「排便の状態や内容に関係しない」ことが条件です。除菌によって改善するという報告があります。
胃過形成性ポリープ *
持続的な炎症により胃粘膜の一部が増殖し、胃内腔に突出した病変を胃ポリープといい、良性隆起性疾患の代表的なものです。胃ポリープのうち、ピロリ菌感染した胃に多く発生するものを胃過形成性ポリープといいます。
*現在、保険適用でピロリ菌の検査・除菌療法を行うことができる疾患は決められています
日本ヘリコバクター学会ホームページより一部改変
日本消化器内視鏡学会ホームページより一部改変